この広告マンのストーリーが米国に初めて登場したのは1916年のことで、以来、もう一度読みたいという読者の声が集まり、復刻が重ねられたという。つねに新しさが追い求められる広告業界を描いた作品が、時代を経ても古びないのは驚きで、それだけの価値あるメッセージが秘められている。 その点からすればストーリーには意外性がある。全体は拍子抜けするほど短く、サクセスストーリーの要素も淡白である。主人公は賢くない平凡な男。「オブヴィアス(あたりまえの)・アダムス」とあだ名がつけられるほどの常識人で、クリエイターとして華麗なアイデアを出すわけでもない。 しかし、そんな「あたりまえ」さゆえに、主人公はビジネス界のヒーローになり上がるのだ。主人公はたとえば、クライアントから次のようなことを言われる。「君の言うとおりだ。どうやら広告は魔術ではなく、ほかのあらゆることと同じように、平凡な常識の問題なのだとわかり始めたよ」。 当たり前のことを言い、当たり前にやり遂げる主人公の尊さが、全体に浮かび上がってくる。これは、何らかの課題や問題に向き合うビジネスパーソンの心にさまざまな形で届くはずだ。とくに、袋小路に入ったときや問題が複雑に見えるときほど、あるいは、近道を求めたくなるときや常識を踏み外しているときほど、このメッセージがもつ意味は大きくなるだろう。 本書にはこのストーリーとは別に、アダムス流のアイデア創出と評価の指針をまとめた文章が加えられている。平凡でも、それが成功のカギになるという励ましも得られる本書は、自信を取り戻したりビジネスパーソンの良き指針になる。(棚上 勉)
理解できる感性があるかどうか
リトマス試験紙的な本かも。
原著は50年以上も前に書かれた本である。なおかつ100ページにも満たない。当たり前のことを当たり前にやることがいかに重要で難しいかが書かれただけの本である。しかし、それだけにストレートにメッセージが伝わってくる。
古い本でありながら、現代のビジネスマンにとっとめ十分に価値があり(わかろうとする人にだけ)、そして、凡人の自分でもビジネスにおいて高い成果を出せるかもしれないと思わせてくれた。ただし、実践するのは並大抵ではないだろう。当たり前に気付くには、徹底的に事実を見ることと、ものすごく頭を使って考えることが必要だからだ。
若手ビジネスマンで、おじさん世代に見せる資料などを書く必要がある人などは必読かも。
後からだったら何とでも言える
事に望むにあたってできるだけシンプルに原則に沿ってアプローチする
ことは重要だと思うが、それが必ず成功につながるとは限らない。
「急がば回れ」という諺もあります。成功して、後になってから
「あたりまえだった」と思ったとしても、賢くなったわけでもないし
次にどんな方法でやれば成功するかの示唆を与えるわけでもない。
これを読んで自分でも成功できると思った人がいるなら、落とし穴に
落ちないように気をつけた方がいいよ。
当たり前
成功するための最重要課題とは何だろう?成功するための「あたえりまえ」のことを、どの程度「あたりまえ」に実行しているだろうか?考え抜いた挙句に、結局、非常に単純な「あたりまえ」のことに気づいた経験はないだろうか?その「あたりまえ」がここにある。
ある程度の経験と実力のある人のための本であることをお忘れなく
この本の、特に宣伝文句を読んで多くの人が誤解するのは「経験も実力も無い者でも、ここに書かれてある『あたりまえ主義』を実践すれば、経験のある実力者以上の成果を上げ得る」ということです。 それは絶対にありません。自分の取り組むビジネスやその他情熱を傾けるべきことでの「あたりまえ」を見つけるには、長い積み重ねがまず必要です。さらに、本書にも書かれている、その「あたりまえ」を見つけるために必要な真摯で謙虚な態度は、責任を取る心構えが構築されたレベルの人間でないと期待できないものです。 決して、何も知らない、精神も甘ったれた子供みたいな連中が一足飛びに成功できるありもしない魔法が書かれているのではないことを勘違いなさらぬよう。 しかし、仕事でしっかりとした長い積み重ねを行い、ある程度の成果を上げてはいるが、更に高いレベルにステップアップしたいのに息詰まっている人に対しては、素晴らしいアイディアを与える可能性があります。
「あたりまえ」に徹すれば 「凡人」でも成功できる!
『あたりまえのアダムス』。大好きです。 『ザ・プロフィット−−利益はどのようにして生まれるのか』で薦められていました。あなたも、ややもすると、「特殊」でなければならないと思い込んでいませんか? この本は、私の固定観念を打ち破ってくれました。 しかし、「あたりまえ」に目を向けるっていっても・・・。 この本を読んで、「なんだ、こういうことなのか・・・。あたりまえって・・・。これなら、自分もできる」と思えてきました。 自分もできる! これなら、できる! やり続けれる! この本を読んだら、こういう気持ちになれました。 「あたりまえのアダムス」氏は、「あたりまえ」に徹したのです。 そして利益をあげ、成功していったのです。 「凡人」でも、成功できると思えてきました。
ダイヤモンド社
ピーターの法則 パーキンソンの法則 プロフィット・ゾーン経営戦略―真の利益中心型ビジネスへの革新 アインシュタインの夢 (ハヤカワepi文庫) デジタル・ビジネスデザイン戦略―最強の「バリュー・プロポジション」実現のために
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