始皇帝―中華帝国の開祖 (文春文庫)
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ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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稀有の政治的センス気力が歴史的逆説を結果した?
「名は体をあらわす」というが、政という名を持つ始皇帝は、中国史上稀有の、政治的なセンス、バイタリティー、知力、気力に富んだ人物であったことがわかる。蔡沢、尉繚子、韓非子らの治世の師に恵まれ、彼らが説くことを熱心に吸収しつつ、それを法治という形で帝国の政治制度に生かそうと試みたのであろう。法治は、どんな人が君主であるかにかかわり無く、法の定めに従ってまつりごとが行われるものであろうが、天下統一後の秦では、始皇帝無くして法治は成り立たないような状況であった。やはり法治を根付かせるまでは、どんな人が指導力を発揮しているかが大きくものを言うということであろうか。天下統一後に、蔡沢、尉繚子、韓非子、といった人物が始皇帝の傍らにいなかったということが、そうい!う事態を招いた原因とも言えよう。そういう意味で、始皇帝だからこそ天下統一とその帝国の維持ができたともいえる一方、始皇帝がいなくなれば誰もその統治体制を維持できなかった、という逆説めいたものを、始皇帝という人物像の中に見出すのは私だけであろか。
暴君と言われている秦始皇帝の実像に迫る
秦の始皇帝ほど歴史的な評価が分かれる人物も少ない。中国を始めて統一した偉業と焚書坑儒で伝わる暴君とは、見方により毀誉褒貶が分かれる。中国古代の歴史に造詣が深い著者は、始皇帝が幼少の頃から威厳を有し、極めて聡明であって6歳から先生について熱心に学んだこと、13歳で即位してから成人して直接政治を見るまで表に出ず、天下統一を果たしてからは如何に人民のために心身をすり減らして努力したかを既存の資料に反論しながら綴っている。特に法治制度に反対し私利私欲に走る腐敗官僚(いつの時代でも同じ)を排除するためあらゆる手段を取り、そのために焚書をしたこと、阿房宮や皇帝稜の建設には人民を使役せず、腐敗官僚の粛清で有罪判決を受けた70万人に及ぶ罪人(如何に腐敗役人が多かったか)を使って建設したこと、儒者を生き埋めにしたという坑儒は後代儒者の曲解であり生き埋めではないことを現存する石碑の文言などを使って反論している。始皇帝の評価を変えようという著者の意志が良く出た良書であり、かつ漢文引用が多い割には読み易い文章となっている。
文藝春秋
韓非子〈下〉 (文春文庫) 韓非子〈上〉 (文春文庫) 春秋戦国志 (上) (講談社文庫) 封神演義〈上〉 (講談社文庫) 封神演義〈中〉 (講談社文庫)
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