子産〈上〉 (講談社文庫)



子産〈上〉 (講談社文庫)
子産〈上〉 (講談社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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『子産』(上、下)

史実に基づいて子産を取り巻く人物にまで正確な評価を与えてはいるが、逆に子産という人物を完全には掴み切れないもどかしさが残る内容でした。
宮城谷氏の作品としては珍しく、当人の子産に対する想いが強く押し出されており、宮城谷氏の子産に対する評価の高さを思い知らされるものでした。
子産の生き方に感動

 今日紹介するのは、宮城谷昌光さんという方の本で、前にも「史記の風景」という本レビューした事がありましたが、素晴らしい歴史小説の書き手で、当代の日本作家の中国もの小説ということでいえば文句なく日本で一、二の書き手さんの本で、問題なく誰にでもお勧めしたい本です。宮城谷さんの小説は、いずれも主人公が精神的に成長していく様がしっかりと描かれ、精神のありようや、心胆のおきようとはかくあるべきだというような理想の形が小説の面白さの中に奇麗に通っているので、いつも読みながら姿勢がすっと正しくなるかのような感覚があります。
 今回の御紹介の「子産」もその例に漏れず、春秋戦国時代を通じて一番の知識人といわれた子産の生涯が、子産の父の代から書き起こされていますが、どこを読んでいても気持ちが澄んでいく感じがしました。また、その中のここかしこで精神と礼のあるなしによって周囲が栄えたり没落していく様が描かれていて、これらを読むと毎日の自分の周囲への発言や対応に対してあれこれ考えさせられるものがありました。
 子産が生まれた鄭という国は、中華の真ん中にあり、交通の便もよくどこにでもいける代わりにどこからも狙われる土地ともなり、子産がいた時代には北の晋と南の楚のいずれからも攻められ、北に攻められれば南を頼り、南に攻められれば北を頼り、どちらにも贈り物をし続けなければいつ国が滅びるかもわからないという過酷な状況にありました。そして、年ごとに仕える国を変え、周囲からも節度や信義のない国として扱われていました。国主の公でさえ、忍従を強いられる国である鄭。そんな国の貴族の息子ちとして生まれた子産が鄭を一つの信義の国として作り上げるまでの姿は、山あり谷あり、歴史小説としても読み応えがあります。
 お勧め度は文句なく5の5てす。
孔子がこの上なく敬愛した古代中国の名宰相

この本にめぐりあえてよかったです。孔子より30年ほど前に古代中国の小国の名宰相として活躍したという子産というかたにずっと興味をもっていましたが、読みやすい小説でこのひとのことを学べたのです。

子産の生まれた鄭の国は、名門ながら軍事大国にはさまれ、汲々としながら恥を知らぬ背反外交を繰り返し、かろうじて命脈を保っていた。。。天才として期待されていた子産の時代がきて、かれは民を愛し、国力を涵養し、しかしときには民意をおそれずに国家の改革を自分の信念にもとづいて、強力に完遂してゆくのです。こんな政治家はいまいるだろうか?

子産の残したことばで、「楽即能久(楽しければすなわち久しくあたわず)」、つまり楽しいから続く、というのは至上の名言でしょう、そして子産が亡くなったことを知った孔子が、「いにしえの遺愛なり」、つまりむかしの宰相のように民を本当に愛するかただった、といい泣いて惜しんだ、という史実。。。いまの政治家は見習ったほうがよいのではないでしょうか。
春秋時代における稀代の大才

宮城谷さんは作品を手がける際に「この人を描くためには?」という、
ある種使命感にも似た思いを抱いてると思われる。

主人公を描くために周囲の人物を描く。
その国を描くために周囲の国を描く。
そうする中で主人公が薄くなってしまうと考える人もいるかもしれないが、
ある人物を語るということはそういうことであると思う。

「子産」も例外ではない。父親、支援者、政敵…など、たしかに魅力あふれる人物は多い。
しかし、このことで子産の存在が小さくなるということはなく、
むしろより巨大になっていく。

春秋時代、小国となった鄭にあって、その才能を如何なく発揮し、
国を誤らせることなく、戦も巧かった天才・子産。
子産が大国に生まれていたら、と、思わず胸躍る作品。
孔子が尊敬していた礼の巨人、子産を格調高く描いた傑作

上巻で10歳の天才児子産は登場しているが、
例によって上巻の主人公は子産の父の子国である。
春秋時代、大国晋と楚の間に挟まれた小国鄭の悲哀の物語である。
常に大国の顔色を伺い、
晋と同盟したり楚と同盟したりと忙しい鄭国の物語は、
歴史外交物語としてとても面白い。
一年間で五回も同盟相手を変えた、
裏切り国の世界記録(だよな?)所持国の鄭の物語は、
単純な戦争物語にならなくて奥が深くて面白い。
孟子は子産が民思いの人徳者であるという説に異論を唱えているが、
宮城谷昌光は歴史家としての正しい見方で、
孟子の評を見事に反駁しておられます。
孔子の儒教は子産の教えを形而下に矮小化したものに過ぎない。
礼に象徴される生きる為の宇宙の真理とはなにか?
子産の真理に基づいた素晴らしい生き方に感動して下さい。




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